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三崎亜記『となり町戦争』

読了しました。三日前くらいにですけど…


戦争が公共事業として市役所に管理されている、という世界観なのですが、発想が面白いと思いました。というか実際、戦争って事業だよなあと。
三崎さんの他の作品を見てみても、設定が特殊なものが多いみたいですね。
私もちょっとズレた世界観は好きなので、面白いなと思いました。
それと、役場の描写が素晴らしい。役所に勤めた経験でもあるのかと思ったら、まさにその通りのようで。あの、「右から左」感。もっと簡単な言葉で言えばいいものを回りくどく言ってくるところとか、お役所~!って感じがして、そこを実際読むのは苦痛なんですが、それをくどくど聞かされている主人公と同じ気持ちになれて良いと思いました。

思ったんですが…中盤になるとさすがに疲れてきちゃいました。

「戦争が生身で感じられない」という表現も、何度も出てきすぎて。もう分かったよ!と言いたくなってしまいました。いや、私も戦争を体験したことがないので、共感はできるのですけれど。
何度も出てくる=主軸がブレていない、ということで評価にも値することだとは思うのですが、私は「何度も出てくるなあ」と感じてしまいました。
私が戦争に対して無意識に耳を塞いでいるせいかもしれませんが。

香西さんとの海辺のラブシーン(?)も、役所であんなに堅苦しい描写をしておいてなんだか今更浮ついた恋愛小説みたいなこと始めたな、なんて思ってしまいました。でも、ああいうシーンを入れでもしないとこの小説はバランスが取れないのかもしれません。
彼女の体の表現はとてもきれいだと思いましたが、ノルウェイの森の描写にちょっと似てるな、とも。男性が書いた文章だな、ということを感じました。

あと最後の別章はなんだったのでしょう。どういう形で掲載されたのか分かりませんが、そんなに必要なものだったとは思えない、ような…。別章なしで終わっていたら個人的にきれいにまとまって終わったのになあと思いました。

総じて、「ゼミで同年代が書いた文章を読んでるみたい」な気分で読んでいました。
でもこれはここ最近、純文学や外国文学ばかり読んでいた私のせいでもあるかもしれません。
ゼミでこういう文章書く人いたらすごいな、と。優等生だなと。そんな気持ちで読んでいたので、イマイチ世界観に入っていききれない、主人公と共感しきれないところがありました。
ですが、ところどころの動作や風景の描写は、ハッとするほど的確で、こういうところはプロだな、と思いました。テーマもしっかり伝わってくるし、伏線もきれいに全部回収されていますし。
あれ、でも、闘争心育成樹は結局なんで査察で持っていかれたんですかね…?読み落とし?

あ、あと、「映画化されてる」という前情報からか、映像化したら良さそうだな、容易に想像がつくな、なんてことを想いながら読んでいました。それが良いことか悪いことか分からないけれど。
そんな感じです。

書き忘れを思い出しました。
文末に過去系、「~った」という形があまりに多すぎて、読んでる間ちらちら気になってしまいました。

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